ナースのストーリー対談第二回

宮本喜仁(7階東(全室個室:全診療科対応)副主任)
吉永忠史(HCU 副主任)

最近の変化についてお聞かせください。

(宮本)集中治療室から現在いる病棟に異動し1年半になります。環境が変化したことでこれまでのスタイルとはまた異なる考え方や方法で仕事に取り組む必要が出てきました。例えば、以前の職場では使うことができた機器類がこの職場では特に必要ないので置いていないのですが、私自身がちょっとした不便を感じてしまったり、入院が長引いてしまった患者さんが病院生活にかなり慣れている方がおられ、俗にいう入院という共同生活だったり、回復する為に必要な治療をきちんと守る、といったことよりも、ご自分たちのやりたいようにやるのが当然とした方が少なからずおられます。そういう状態の患者さんやご家族とのコミュニケーションに少し難しさを感じたりしています。
(吉永)私は、入職からずっと現部署での勤務だからでしょうか、、変化というものをさほど感じているわけではありません。しかし、敢えて言うならば、この仕事は人があっての仕事なので、常に嬉しいこととしんどいことの繰り返しです。その繰り返しの中に変化というか、個々に対する異なる対応をしていく必要があります。患者さんにもすぐに感謝して下さる方から過剰な要求をされる方、すぐに苦情を仰る方と様々です。それは人にはそれぞれの事情や立場があるので当然のことで、そういう背景を鑑みて関わっていくことが大事だと感じながら仕事をしています。

看護をする上で大切にしていることをお聞かせください。

(宮本)私の看護をする上でのスタンスはずっと変わっていません。それは何かと言いますと、年齢に関係なく患者さんに対して人間として敬意を持って関わらせて頂くということです。ただ、いくら敬意を持って関わらせて頂くと言っても、適切な看護ができなければなりません。今は、課題が見つかれば即勉強というスタンスで、目の前にいる患者さんに適切な看護を提供できるように努めることが最も大切なことではないかと認識しています。もちろん、それも、心身ともに元気であってこそですから、趣味を通じてリフレッシュをし、バランスを保ちながら励んでいます。
(吉永)病院の中にはたくさんのルールがあります。そのルールをしっかり守ってこそ患者さんの安心と安全を提供できるということが原則であり、大切なことです。例えば、当院のHCUでは少し時代遅れかもしれませんが、いまだ面会における時間制限や方法にも一定のルールがあります。ルールの中で、患者さんやご家族にできる限りの配慮をしてケアをすることを大切にしています。大袈裟かもしれませんが、自分の家族にするのと同じような気持ちでケアするように心掛けています。

この仕事の魅力、そして今後のチャレンジについてお聞かせください。

(宮本)患者さんがどんな病気で入院されるかというのは様々ですし、そもそも患者さんも一人ひとり性別や性格、年齢はもちろん、生活環境が異なるので生活スタイルは皆さん違って当然です。そういう患者さんに対してその人その人に適した対応をしていくことが重要だと思っています。そして、そうした中で喜びを見出していくのがこの仕事の魅力だと思います。
(吉永)私も、それに近い感覚があります。患者さんもそれぞれ違う、疾患もそれぞれ違うし、重症度も違います。正解といえるものに到達するのがとても困難な仕事です。どんな仕事でもそうかもしれませんが、思い通りに進まないことも多く、反省をしながらの思考錯誤と試行錯誤が日常です。しかし、同僚はもちろん、医療従事者以外の人たちと情報交換をする中で、様々な気づきがあり、それらをヒントに最適な看護を考え、実践していくことそのものがこの仕事の魅力だと思います。その結果として、患者さんやご家族が喜んで下されば、もちろん私にとって大きな喜びになります。
(宮本)今後は、もっと専門的な勉強をして自分自身の強みを作っていきたいので、認定看護師など専門職の資格の取得などにチャレンジしたいと思います。とにかく、命にかかわるということの怖さはぬぐい切れませんが、患者さんの現実から逃げずに、向き合いたいと思います。そのためには、より専門的に知識や技術の修得からも逃げるわけにはいきません。難しいと感じる勉強も嫌がらずチャレンジしていきたいと思っています。
(吉永)私は、配属部署柄患者さんの最期に立ち会うことが多いので、看取りに関する勉強をもっとしていきたいと思っています。テレビドラマでは患者さんの最期のシーンはとてもきれいな描写で描かれていることが多いでますが、それは現実とかなり乖離しています。これは、集中治療域が積極的治療の途中で迎える死ということも大きく関与しているでしょうからやむを得ないことなんですが、実際にはご家族が亡くなられた時の状況をしっかり認識できないことが多いです。私は、HCUという治療が優先される場であっても、治療の甲斐なく看取りを迎える状況になってしまったご家族の心情を慮り、患者さんとそのご家族にとっての大切な時間をより有意義な時間になるように、またそのことで最期を迎えられてもご家族との時間の中でいい形で偲んで頂けるような関わりができるようになりたいと思っています。
もちろん、急性期治療の最前線の一握を担うHCUの副主任として、部署内の急性期看護の質も高めていきたいと思っています。