「なぜ?」と感じたら、わかりたいと突き詰めた新人時代

循環器内科病棟 森翔子

私は両親だけでなく親戚にも看護師が多い環境で育ったことや親戚に心臓の難病を抱える者がいたこともあり、いつしか看護師になろうと決めていました。看護師になった頃は、覚えることも多く、少し苦労をしたことが思い出されます。例えば、心電図モニターを読むのが難しいと感じていました。患者さんの状態に対してそのまま様子を見ておいて良い場合と医師に報告に行かないといけない場合があるのですが、その判断に戸惑うことが多く、なかなか一人ではできず先輩に頼っていました。他には、救急対応の際に、ベッド周りの整理にも苦労しました。安全管理の上でもルートを誤って接続したり、絡み合うようなことがないようにすることが必要ですが、それに慣れるのに苦労しました。そんな風に多少の苦労はありましたが、仕事は常に楽しいと感じていました。私は、わからないことがあればわかるまで突き詰めるのですが、例えば患者さんのデータと病状の因果関係がわかると、その治療の意味がわかります。特に新人の頃は、わからないことが多いので、一つ一つ意味がわかってくるのがとても楽しかったですね。「なぜ?」と疑問を抱けば、すぐに調べ、その因果関係や方法を理解し、日常の仕事に活かせるように習慣化することに一生懸命だったことを思い出します。

患者さんやそのご家族の不安を減らすことにこだわりたい

私が看護師になってからずっと大切にしていることは患者さんの不安を減らすということです。もちろん、不安をなくしてあげたいですが…。その中で、意識しているのは笑顔で接することです。普段は、マスクをしているので、特に目が大事だと意識しています。看護師が顔を合わせた瞬間に難しい顔をしていたら患者さんは不安になると思います。次に、患者さんの話、特に不安なこと、しんどいこと、苦痛に感じることをとにかく真剣に聴くようにしています。聴くということを疎かにすると患者さんとの信頼関係は築けないだけでなく、不安を増長させることになると考えています。だから、仕事が忙しい中でも限られた時間を工夫して丁寧に聴くようにしています。また、ご家族との関係にも配慮するようにしています。ご家族も患者さん同様に不安を抱いていらっしゃいますので、来院時には患者さんの状況を丁寧に説明することはもとより、患者さんの性格や自宅での過ごし方、ご家族の考えをしっかり聴いて一緒に考えるようにしています。私一人ではすべては解決できないので、積極的に多職種と連携を取りながら、不安を安心に変えるように努めています。笑顔で接し、しっかりと想いを聴くということによって、私の患者さんへの気づきも増し、結果的に患者さんにとって良い看護に繋がるという実感があります。

“聴く”を大事にしている自分が、意識のない患者さんに話しかける

患者さんの想いを聴くということを大切にしている私ですが、ICUで仕事をしていた頃は、人工呼吸器を装着した患者さんで、しかも意識がない人、つまり話せない人がほとんどだったので聴くということができない状況で看護をしていました。この経験は私にとってまた一つ成長の機会になりました。話せない患者さんに自然と話しかけている自分がいました。何故、自然とそういう行動にできるのか。それは、挿管中の患者さんが抜管し、意識が戻っていく様を何度も見ているからだと思います。呼吸器関連の専門家から意識回復のための方法を聴き、それに加えて自らも学んでいく中で、きっとうまくいくはずだという思いを持って仕事に取り組んでいました。そういう経験がきっかけになり、今、私は呼吸療法認定士の資格取得に向けて学んでいます。現在は循環器を主とした内科系病棟の勤務で、肺炎の患者さんが多く、呼吸困難な方もたくさんいらっしゃいます。呼吸困難だと長時間わたって眠れず、途切れ途切れの睡眠になり、辛い思いをされています。それを何とかしてあげたいと…。身体的苦痛を和らげ、吸引や排痰を促し、少しでも多くの睡眠がとれるようにしてあげたいと思っています。これからも、患者さんの想いを知り、感じ、不安を減らす看護をしていきたいと思います。