丁寧に観察をし、変化を見逃さないことを心掛ける

5階西病棟 吉岡佳子(皮膚・排泄ケア認定看護師)

私は、出産を機に勤めていた会社を退職し、子供が保育園に行くようになってから看護学校に行くことにしました。看護師になろうと思ったのは、祖母が病院でお世話になった看護師さんの姿に憧れを感じたことが大きいと思います。看護師になって感じたのは、大変ではあるが忙しさの中にとてもやりがいのある仕事だということです。患者さんをケアしていくことで、どんどん良くなられていく様子が現れると本当に嬉しくなります。難渋する患者さんに対して、その人に合ったケアをしようとしていますが、私がいいと思っても、本当にこれでいいのかどうか迷うことは今も多々あります。しかし、新人の頃から、常に意識しているのは丁寧に観察することです。損傷ひとつ、褥瘡ひとつをきちんと見て、変化を見逃さないように心掛けています。悪化していればその原因を見つけたり、しっかりと考えたりすることがとても大切な仕事だということを学びました。

「この人なら話しても大丈夫」という関係性を作ることが大事

私は、自らの看護の質を向上させるためには、患者さんを通して“様々なことを教えて頂いている”という気持ちを大切にしないといけないと考えています。患者さんとのコミュニケーションは教科書に載っていないことがたくさんあります。例えばストーマを造設して患者さんが退院された時に、家ではお風呂に入るのが大変だった、あるいは、外出時にストーマが外れてお孫さんに臭いと言われた、といったご苦労を聞かせて頂くことで、もっとお役に立てる説明ができます。また、病室で排泄の失敗をしても看護師にさえ恥ずかしくて言えず、自分で何とかしようとしている患者さんをよく見受けます。そういうことを遠慮なく言って頂く関係性をいかに作れるか。それが、患者さんに適切な看護を提供する根本だと思います。患者さんは食事のことは言えますが、排泄のことはなかなか言えません。看護師の仕事の醍醐味は、患者さんが、療養生活でかかる多くの制約の中にあっても、できるだけ制約のない方向で、元の生活に近づけるお手伝いをすること。そして、少しでもその人らしさを取り戻すことを諦めず、希望を掴めるようにサポートすることだと考えています。そのためには、患者さんの言い辛いことや困っておられることを察することができるようにしっかりと観察し、この人なら言っても大丈夫だという関係性を作っていくことをこれからも心掛けたいと思います。

その人らしい生活を諦めない看護を目指したい

これまでの自分が対象としていた患者さんは病院の患者さんで、その中でも特にストーマを付けている患者さんが多かったです。しかし、これからは、高齢者も多くなってきて、寝たきりになってしまう人も増えてきていますので、できるだけそうならないように、元の生活に戻れるようにリハビリについても学んでいきたいと思います。それから、例えば、褥瘡についてですが、そう難しくなく予防できたはずなのに、退院後ご自宅で褥瘡を作る方が少なくないのは、褥瘡予防に対する知識がない、もしくは不十分なことが原因だと多いと思われます。今、自分は外科系病棟のスタッフ看護師という位置づけですので、病棟勤務以外の患者さんへの直接的活動はしておりませんが、体制を整備頂けたならば、褥瘡予防や排泄ケアに関する正しい知識を地域に発信する活動もいきたいと考えています。また、可能ならば、ストーマを付けた患者さんがご自宅に帰ってから看てあげるような退院後訪問の仕事もしたいと考えています。それも、これも、元の生活に近づけるお手伝いをしたい、その人らしさを取り戻してほしい、そんな看護をしたいという想いから自分の未来を考えていますし、一人でも多くの同じ考えの仲間を作って生きたいと思っています。