学生時代に気づかなかった工夫やこころ遣いを知る事が楽しかった

入野早百合

私は、家族や親戚に医療従事者が多く、子どもの頃から病院に行く機会が多かったからでしょうか、気づけば看護師になることを決めていました。看護師になったばかりの頃は余裕がなくがむしゃらに業務をこなしていましたが、それでも楽しみがたくさんありました。それは、学生時代の学びの中では気づかなかったケアの工夫や患者さんへのこころ気遣いを毎日のように学ぶことができたからです。先輩方の看護を見ていると、患者さんの個人差をすばやく理解し、それに適した対応をされていました。同じことをしてもこの患者さんには適切だけれど、この患者さんには適切ではないなど、工夫やこころ遣いがたくさんあり、それを考えながら対応していくこの仕事に就けたことに楽しみを感じていました。しかし、実際に自分の仕事は、患者さんへの声掛けにしても、説明にしてもなかなかこちらの真意が伝わらなかったりしてうまくいかない日々が続きました。2年目から3年目にかけて、ようやく自分の工夫やこころ遣い等患者さんに対する適切な看護を少しは提供できるようになれたかなといった感じになりました。

時間がなくても、心を開いてもらえるコミュニケーションを心掛ける

私が看護師として気をつけていることは、押し付けの看護にならないようにすることです。たくさんの患者さんと接する看護師の仕事は、様々な場面での対応が求められます。場面、場面でこの人は自分の病気についてどう感じているんだろう、私のことをどう感じているのだろう、今、何をしてほしいと思っているのだろう…ということを常に意識しながら患者さんの意向、ご家族の意向をよく理解し、自分の感覚を優先することなく看護するようにしています。そのためには、患者さんに負担をかけずに、心を開いてもらえるコミュニケーションが大切になってくると思います。ただ、現実には患者さんとの言語的コミュニケーションにかける時間が十分とはいえません。そういう状況だからこそ、心を開いてもらえるように、言語的コミュニケーションに依存しない工夫をすることが大事なんですね。患者さんが窓の外を見ていたら、何をご覧になっているのかを考えたり、テレビをご覧になっていたら「このタレントさんおもしろいですね」と声を掛けたり、処置をしながらも関わっていくこと。私はそれがあってこそ、技術や知識が活かせると思っています。

スタッフが成長できるよう適切なアドバイスができるようになりたい

最近は、自分のことだけでなく、主任としてスタッフの成長を意識するようになりました。まだまだ新米主任ですのでこれからのことではありますが、“どのように関われば、工夫とこころ遣いのできるスタッフを育てることができるか”を目標にしていきたいと思っています。今は、育てるという域には全く達していないので、日々スタッフのモチベーションを下げないようにという風に接しています。ですが、それはあくまで最低限のことなので、どんな看護師になりたいのか、仕事に対してどう思っているのかをしっかりと聴き、理解した上で、適切なアドバイスができるようになりたいと思います。スタッフの育成にもやはり心を開いてもらえるコミュニケーションを心掛けたいと思います。