科長対談(第一回)

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看護科長たちの
「あなたを育てる」

看護科長 高橋秀子(手術・中央材料室)
看護科長 本多好子(7階東) 
看護科長 上杉八重子(ICU)
(写真左より高橋、本多、上杉)

看護師育成について、最近、何か感じることはありますか

高橋 看護師という職業に就くという意識が依然と比べて変化しているのもあるかもしれないけれど、看護師の仕事は、やはり人に対する興味を持つこと。患者様との雑談などからその人の日常生活や考え方を知ることができるので、もう一歩踏み込んで患者様と接してくれたらもっと成長するのになぁと感じることは確かに増えました。
本多 私は、早く育って一人前の仕事をしてほしいと常に考えています。そのために、一分一秒でも患者様のもとへという考え方を基本にしていますが、積極的に患者様と関わることに躊躇する看護師が増えてきたのではないかと感じています。以前と比較して、全体的にコミュニケーションを取ることに自信がないのかもしれません。
上杉 確かにそうかもしれません。人と関わることが好きな看護師はナースコールが鳴らずとも何かしら気にかけて患者様のところにすぐに飛んでいく。人と関わることが苦手な看護師はナースステーションにいる時間が長かったり、患者さんへの直接ケア時にも黙々とケアをする事が多いように思います。問題は、本人がそれでいいと思っているのか、本人も実はそれではいけない、何とかしたいと思っているのに具体的方法がわからないのか、あるいはきっかけを掴めないのか。そういうことを私たち管理者がしっかりと見極め理解して関わっていくということが大事なんだと思います。

若い看護師を育成する上で日常的に気をつけていることは何ですか

高橋 部署に拘りませんがあきらめない看護を若い看護師たちに目指してもらいたいと思っています。私たち看護職が患者様のゴールを決めることはできませんが、患者様がゴールを目指して回復する過程においていろいろな方法を駆使し、考えながら看護をしていくということですね。それを解ってもらうためには、例え指導側の思いどおりに育たない場合でも、この看護師はこういう看護師だと決めつけるのではなく、一人ひとりがどういうことを考えているのかを指導側が知ることがとても重要だと思っています。ですから、業務だけに限らず普段の雑談の中でも自然とメンバーに関わっていき、自分の考えを伝えていくように心がけています。
本多 私の職場は全室個室の病棟なので、ご家族の面会がなければ患者様と看護師が一対一の状態になります。新人だと会話が拡がらないケースもよくあります。患者様は、もっと長く話したい、話が弾むと嬉しい、とよく仰います。患者様が“思いを受けとめてもらった”そう感じることが元気になるきっかけになることがあります。ですから、どの部署でも同じだとは思いますが、業務に不慣れな期間は一人で行動させないよう指導担当看護師に注意をさせるようにしています。ペアで病室を訪れ、先輩が行う業務としての行動だけでなく、看護師としての専門的話術、いわゆる患者様の訴えに傾聴し思いを汲み取ることを主としたコミュニケーションの方法も学んでもらうようにしています。
上杉 世代も違えば、個性も違うので、人との関わり方も違うということを認識した上で、育成に努めています。主任や中堅看護師を育てることで、彼らが若いメンバーを育てるという仕組みが望ましいと考えていますので、それを心がけています。そして、方向が違うと思ったら面談を重ねてコミュニケーションを図っていく。そういうプロセスを通じて、若い看護師の成長を促すようにしています。

若い看護師が成長をするために今後どんなことをしていきますか

高橋 技術的なスキルの向上はもちろん大事だと思うのですが、「患者様の代弁者たる看護師」が育つ職場をつくりたいと考えています。つまり、看護師として、患者様に良いと思ったことは説得材料を持って意見を言える看護師育成です。患者様を絶対に護りたい。患者様の気持ちや尊厳に向き合った看護を実践していくことがどんなに素晴らしいか実感してもらいたいと思います。だから、所属長である私が誰よりも率先して今以上にもっともっとメンバーと関わって、看護についていっぱい語り合いたいと考えています。
本多 新人であっても科長と気軽に話しやすい雰囲気を作っていきたいですね。2年目や3年目のまだ経験の浅い看護師が新人に対して、自分の新人時代のことを話しながら支援しているのを見て、私が直接的に働きかける相手は先輩看護師です。新人への励ましに対してgood評価を表すようにしています。新人から見れば、自分たちとそう変らない経験の少しだけ先輩という人たちが所属長である私と気軽に話す現場を見れば、新人も私や先輩たちともっと打ち解けて無益な過緊張を感じることが減り話しやすくなるだろうと思っています。
上杉 知識や技術がしっかりとしていないと生命の危機に直結する事態になりやすいのが急性期医療の現場なので、日々の研鑽をどうやっていくのか、また、院内外の研修会の参加を推奨し今後もさらに充実させていくことも大事なことだと考えています。その上で、患者様の気持ちや尊厳の重要性をしっかりと考え、“頭でっかち”ではなく、それらを実践して細やかな配慮をしていけるように、メンバー同士が日常的に学び合い、支え合うような職場環境を作っていきたい、そのように考えています。