科長対談(第四回)

看護科長たちの
「あなたを育てる」

佐藤有紀(5階西病棟:外科)
渡会純(HCU)
宮尾優紀子(6階東病棟:地域包括ケア)

メンバー育成においてどんなことを大切にしていますか

佐藤 自分で考えて、自分で判断できる看護師になってもらいたいと思っています。看護師は患者さんに最も近いところにいる存在なので、患者さんにとって何が大事かを自分で考えることができないといけないと思います。例えば、医師の指示一つにしても、自ら考えて指示を受け、その指示に対して患者さんの様子を踏まえたうえで自分の意見をしっかり言えるようになってもらいたいと考えています。
渡会 私はHCUを担当しています。7月16日付異動で、まだ完全に職場を把握していない状態ですが、部署の特性として重症の患者さんが多く、また若いスタッフが多いので、まずは知識や技術の確認、そして不足があれば習得を最優先にしていきたいと考えています。根拠に根ざしたアセスメントとそこから繋がる患者さん個々に適した看護ケアプランを立て、ケアの提供ができるようになってもらいたいと思っています。
宮尾 私は地域包括ケア病棟を担当していますが、患者さんがお家に帰った後の健康管理を考えなければなりません。その際、お家に帰られてどんな風に生活されるのがいいのかを見極めるためにも、まずは、患者さんと向き合うこと、そして、看護師以外のスタッフも含めて多職種で協力して考え、実践することを方針にしています。特に、人としてどう関わるかという視点を大切にしています。

メンバーを育成する上でどのように関わっていますか

佐藤 私の職場は、ベテランと若いスタッフがほぼ五分五分のバランスです。若いスタッフがより相談し易く、もっとマインド面、スキル面での成長を促すためにも、リーダー的存在の育成が必要だと感じています。具体的には、視野を広く持ち、色々な事に柔軟に対応できる。そしてメンバーの意見をよく聴き、他のメンバーの事情が理解できる…といったようなことでしょうか。そういうリーダーを育成していきたいと考えています。そのためにどう関わるか・・・難しいですね。言うは易し行うは難しです。
渡会 私は、異動後間もないということもあるので、育成という段階に入る前に先ずはメンバーの思いをしっかりと理解したいと考え何度か面談をしました。面談を通じて、個々の自己学習が足りていなかったことや、メンバーももっと勉強がしたいという向上心を持っていることが解ったので 知識・技術の習得機会として、HCUに入室する機会の多い診療科の医師に協力依頼し、勉強会を計画したり、関連学会や院外研修などにもっと積極的に参加できるような機会を増やしていき、自己研鑽できる環境を作っていきたいと考えています。
宮尾 私も、やはりリーダー育成が大事だと思っています。ですから、中堅看護師のサポートを通じて、メンバーを育てられるリーダーの育成を意識しています。他のメンバーの仕事にも関心を持ち、うまくいっているかどうか、困っていないかどうかなどを気遣いながら仕事を進めることを指導しています。他のスタッフに関心を持つこと、とにかくコミュニケーションを取ることにより、メンバーの考えていることを理解できるだけでなく、自身の仕事への気づきがたくさんあることを示すようにしています。

どんな職場にしていきたいですか

佐藤 楽しく仕事ができる職場にしたい。この「楽しい」というのはメンバーそれぞれがいろいろな意見・アイデアを出し、それが看護に繋がり、いい成果が出てみんなで喜び合えるということです。ただ、意見やアイデアをみんなの前で出すことは良い事なのですが案外勇気のいることなので、まずは、個別面談や少人数でのディスカッションの機会を作り、意見やアイデアを引き出していきたいと思います。
渡会 HCUでは、治療や病態上、言葉を交わせる患者さんは少ないです。ですから、看護師が患者さんに対して“感じ取る”ということが大切になってきます。しかし、これはなかなか難しいことです。ミーティング等でそれぞれのメンバーが患者さんのために何ができるかを相談し合っている姿を見て思いますが、新たに得た気づきや知識の中で、患者さんに少しでも役立つのではないかと思えば、既成概念に捉われることなくどんどん取り入れて実践する、そんな職場にしていきたいと考えています。
宮尾 医療上は不可能、駄目って言われていたような状態が、もしかしたらいけるんじゃないか…可能性を信じる看護をする職場にしたいです。もしかして、自分で歩けるんじゃないか、食べるとことできるんじゃないか、トイレに行くことができるんじゃないか等、少しの可能性を見出し、その可能性を最大限に引き出すためにチャレンジすることをメンバーと共有したいです。毎週、多職種も参加してハッピーカンファレンスをしています。そこでは、一つでも自分にできることは何かを考えたり、患者さんへの想いを伝えたりします。あの病院に行けば、「もしかしたらいけるんじゃないか、諦めなくってもいいんじゃないか」と思われるような職場を作りたいです。